駆け落ちする電車の中で
「いくらなの?」

「…1000万」

「なんだ、1000万かー!………って、え!?」

私は驚きのあまり思わず立ちあがる。

「私そんなの聞いてない!」

「今日初めて言ったからな」

「初めて言ったって…なにでそんなに借金作ったのよ!?」

「まあちょっと競馬でさ…ボロ負けしちゃって」

「ちょっとじゃないわよ!1000万よ!?1000万!この前貸したお金ももう使い果たしたの?」

「まあな」

「”まあな”じゃないわよ!ありえない…私帰る!」

自分の鞄を乱暴に掴み、揺れる車両の前の方へと歩いていく。

「ちょっと待てよ!」

声を荒げて大毅は立ちあがり、そんな私の腕をがっちり掴む。
< 7 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop