白雨の騎士
「ねぇ知ってる？今度新しい近衛を募集するみたいよ！」

「知ってるわ、何でも剣の腕じゃなく容姿を優先に選ばれるらしいわよ！」

お茶会の片付けをしながら、城のメイドたちが近衛募集の話で盛り上がっていた。


「何故容姿が優先なの？城を守る近衛隊に容姿が関係あるの？」

「国王様がアリス様の周りに容姿の美しい近衛を置いて気を引かせるためらしの！」

そんな話をするメイドたちの横を一人の女が通り過ぎた。


コンコン

数冊の本を抱え、女はアリスの部屋をノックした。



中に入ると、アリスは読んでいた本を閉じて顔を上げた。


「どうぞ。」


「失礼します、アリス様。」


彼女はアリスの側近、ソフィア。

王宮内でアリスが気の許せる数少ない内の1人だ。


「…王宮内は新しい騎士募集の話で持ちきりですね。」

ソフィアの言葉にアリスは読んでいた本を閉じた。

「父上がまたくだらない事考えてるのよ」


そう言うアリスにソフィアはふふっと微笑んだ。


「アリス様の為を思ってでは？」

ソフィアの言葉にアリスは首を横に振った。



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