白雨の騎士
ー騎士団 入団試験当日ー
朝早くから、城の前には国中から王宮付き騎士になる為に試験を受けにやってきた青年たちで溢れていた。
シドも準備万端で開門を今か今かと待ちわびていた。
しかし、先程から気になっていることがある。
それは集まった人たちの身なりだ。
今日は履歴書と自己紹介のみで、そこから次の試験に進めるのは集まった人数の半分以下に縛られる。
実技試験がある訳ではないが、集まった青年たちの多くはやたら着飾っているように思えた。
王宮付きの騎士に第一に必要なのは剣の腕だ。
これだけの人数から選ぶとなると、まず書類審査で人数を絞ることに疑問はないが、それにしても派手な服装の男たちが目立つ。
かえってシドの地味な服装の方が目立っているようだった。
トントン
そんな事を考えていたら、後ろから誰かが背中をつついた。
振り返ると、これまた派手な洋服に身を包んだ男が立っていた。
「…君、随分地味な格好をしているね。」
声をかけてきた男は、ラベンダー色の派手なスーツに胸には小さな薔薇の花をさしてスーツと同じ色の小さなハットを被っていた。
ブロンドの髪と同じ金の瞳が印象的でかなり馴れ馴れしく話しかけてくる男の言葉にシドは自分の服装を見た。
「それに腰に剣なんか刺しちゃって。」
男はシドの剣を指差して言った。
「…騎士になる為の試験だ。剣を持参するのは当然だろう?」
すると男は驚いたような顔をしてふふっと笑った。
「君、何も知らないの?」
「…何もって…?」
すると、男は手を差し出してきた。
「俺の名前はルイ。知らないなら教えよう」
朝早くから、城の前には国中から王宮付き騎士になる為に試験を受けにやってきた青年たちで溢れていた。
シドも準備万端で開門を今か今かと待ちわびていた。
しかし、先程から気になっていることがある。
それは集まった人たちの身なりだ。
今日は履歴書と自己紹介のみで、そこから次の試験に進めるのは集まった人数の半分以下に縛られる。
実技試験がある訳ではないが、集まった青年たちの多くはやたら着飾っているように思えた。
王宮付きの騎士に第一に必要なのは剣の腕だ。
これだけの人数から選ぶとなると、まず書類審査で人数を絞ることに疑問はないが、それにしても派手な服装の男たちが目立つ。
かえってシドの地味な服装の方が目立っているようだった。
トントン
そんな事を考えていたら、後ろから誰かが背中をつついた。
振り返ると、これまた派手な洋服に身を包んだ男が立っていた。
「…君、随分地味な格好をしているね。」
声をかけてきた男は、ラベンダー色の派手なスーツに胸には小さな薔薇の花をさしてスーツと同じ色の小さなハットを被っていた。
ブロンドの髪と同じ金の瞳が印象的でかなり馴れ馴れしく話しかけてくる男の言葉にシドは自分の服装を見た。
「それに腰に剣なんか刺しちゃって。」
男はシドの剣を指差して言った。
「…騎士になる為の試験だ。剣を持参するのは当然だろう?」
すると男は驚いたような顔をしてふふっと笑った。
「君、何も知らないの?」
「…何もって…?」
すると、男は手を差し出してきた。
「俺の名前はルイ。知らないなら教えよう」