白雨の騎士
門が開き、中から一人の男性が出てきた。

「…これより、王宮付き騎士団試験を始めます。」

参加者は開かれた門の中に続々と入って行った。



「…王宮の騎士団は第5部隊までのグループに分けられているんだ。3から5部隊は主に王宮内外の警備。第2部隊は貴族の護衛、そして第1部隊は王族の護衛だ。」

そう言いながら、ルイがシドの腕を掴んで足を止めた。

長い長い廊下の窓から中庭が見える。

ルイはその中庭に集まる兵士たちを指差した。


「…あれは3〜5部隊だな。」

「そこ、遅れないように」

先頭を行く男性がシドとルイに声をかけた。


部屋の中に全員が入ると、試験管の男が1人1人名前を呼び始めた。

シドは剣に手を掛けるとぎゅっと力を込めた。

必ず一次を通ってみせる。

シドの様子を見ながらルイはふっと笑った。
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