白雨の騎士
「初めまして、キースと申します。これから宜しくお願いします。」
堅苦しい挨拶をしたキースはどんっと持ってきた本を机に置いた。
「よ、よろしく。。」
先週オーギストから言われた、女王になる為の勉強を徐々に始めていくと。教鞭を取るのがルーズト家次男のキース。
なんだか、堅物そうな人だとアリスは思った。
「では、さっそく始めていきます。」
***
「…見て、シド様よ。」
アートやアンナ、ロイと共に王宮内を歩いていると周りの夫人達がシドを見て口々に言った。
「まぁ、今日も本当に凛々しくて素敵…」
「わたくし、ちょっと声をかけてみようかしら」
王宮へ来て10ヶ月。シドは最近王宮の夫人達の間で"シド様"と言われ話題になっていた。
「シド様。今度私の家で開かれる舞踏会に是非いらしてくださいな。」
歩いていると夫人が数名、シドの前に出た。
「…申し訳ございませんが、私は近衛隊です。王家をお守りすることが勤めですので。」
毎回誘われても全てキッパリ断っているシド。その誰にも媚びない姿もどうやら人気の一つのようだ。
「シド、すごい人気ですね」
シドの後ろを歩くロイが隣のアンナに言った。
「そうだな。最近では自分の娘と結婚させたいという話もきているようだ。」