白雨の騎士
「それにしてもシド、人気者は大変だな」
稽古場に着くと、ロイがからかうように言った。
「…いえ、でもまさか剣術を教えて欲しいなんて言われるとは、、」
「あの方はルーズト家のローズ様だ。シドも大変な人に好かれたな。ルーズト家は国でも指折りの名家だぞ。」
ロイの言葉にシドは小さく溜息をついた。
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「…キース、ちょっと休憩させて……」
執務室で机に項垂れたアリスが言った。
「分かりました。2分休みましょう。」
キースは腕時計を見て本を閉じた。
「…2分?!短すぎるわよ!あーもう、やめやめ。初めから飛ばしすぎよキース。」
アリスの言葉にキースは少し眉間に皺を寄せ小さく溜息をついた。
キースの教え方は分かりやすいが、とにかく一息つく間もなく次に進んで行く。永遠と全力疾走させられているような感覚で、なんだか体力がごそっと削られた。
アリスは本を閉じると席を立ち窓を開けた。
「…では、10分休憩しましょう。」
初日からこのペース…アリスは先が思いやられた。