白雨の騎士

小屋に着くとキースは中に入った。

シドも中に入った。机やタンスにはあの模様が描かれている。

ルカに教えた貰ったウォルドーフ家の紋章。

以前ここに入った時シドは不思議な感覚がしたが、今は何も感じなかった。


「…ここはドラスが作った小屋です。彼は王宮の庭師としても働いていた。」

キースは何やら小さなメモ帳を開くと当たりをキョロキョロし始めた。

そして、壁にかけられていた時計を見ると今はもう動いていない秒針を12時から2回、右回りに回した。

すると、ガチャっと音がして文字盤が外れた。

文字盤の裏側には一枚の写真が貼り付けられていた。


「これだ…」


キースは写真をシドにも見せた。

そこには数名の男女が港らしきところで撮られた集合写真だった。

一番左端の女性が小さな赤子を抱いている。

写真を裏返すと撮影された日であろう日付が書かれていた。


その日にちはシドの誕生日の1ヶ月後だった。


顔を上げたキースを見ると、赤子を抱く女性に肩を回して隣に映る男性を指さした。


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