白雨の騎士
謁見の間を後にして、アリスは自室に戻った。

ソファに座ると大きく溜息をついた。

「どうされたのですか、アリス様。大きな溜息をついて。」

紅茶を淹れながらソフィアが問いかけた。

アリスは何も答えずに膝を抱えて顔をうずめた。

ソフィアはポットを置くと、アリスの前に膝をついてそっとアリスの手に自分の手を重ねた。

アリスが顔を上げると、ソフィアがまっすぐな瞳でじっと見つめてきた。


「…想っている事を吐き出してください。言葉にするくらいいいじゃありませんか。」


ソフィアの言葉にアリスの目に涙が浮かんだ。


「……シドの事が、好き。」


初めて言葉に出した。

今まで何度も頭には浮かんだが、いつもすぐに掻き消していた。

言葉にしたら、何故か少しだけ楽になった。


アリスの言葉を聞いてソフィアは優しく微笑んだ。

「どうしよう。ソフィア…」


シドが好き。でも、シドの夢は消したくない。


ソフィアは優しくアリスの背中を撫でた。



< 200 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop