白雨の騎士
「勤務は明日からですが、日が近いのでさっそく来週のパレードの打ち合わせを始めたいと思います。」
来週は建国記念日のパレードが城下で行われる。
アリスと国王がそれぞれ馬車に乗り街を回る。
国中から人々が集まり、盛大な祭りが開かれる。
王宮もその日だけ普段は一般人は入らない場所まで解放される予定だ。
近衛達は総動員で警護にあたる。
国民が楽しみにしている建国記念日の祭りだが、近衛達は気が抜けない。
「パレードは約1時間、ルートはこちらです。」
アンナは机の上に地図を広げた。
「私とシドはアリス様のお馬車の横を馬で走ります。キース様にはアリス様と同じお馬車に同乗して頂きます。」
アリスは広げられた地図を見た。
「父上と私は別ルートになるのね。」
「はい。陛下はアトリの街から時計回りに進み、トードリー広場に向かいます。アリス様はクイーン通りからサントナの街を抜けて最後に陛下と広場で合流します。そこで、陛下からのお言葉があります。」
アンナは羽ペンで地図にアリスと国王が回る道筋をなぞった。
「何ヶ月も前から近衛隊がこのルートを確認して当日の警護は万全です。」
「…城下に行くのは久しぶりだわ。少し街を見て回れたらいいのに。」
アリスは地図を指でトントンと叩きながら呟いた。
「それは…難しいですね。。かなりの人が街に集まります。警護は万全にしますが、何が起こるか分かりませんし。。」
アンナの言葉にアリスはくすっと笑みを溢した。
「分かってるわよ。アンナは真面目ね。それより、当日のドレスだけど、ソフィアが衣装係から何着も預かってきたの。昨日見たんだけどもうちょっとどうにかならないかしら。」
アリスは立ち上がりクローゼットを開けた。
そこには華やかなドレスがズラリと並んでいた。
「ソフィアはこれにしたらと言うの。でも、派手すぎない?それに、こんなに胸元が開いて」
アリスが手に取ったドレスは淡い水色で胸元や裾にフリルがあしらわれたとても豪華なドレスだった。
「このタイプが今流行しているようですね。我が家の女性陣も最近よくこの形のドレスを着ていますよ。」
キースがアリスの持つドレスを見ていった。
そういえば、ローズも毎回こんなドレスを着ているなとシドは思った。
しかし、アリスがいつも着ているドレスはシンプルなデザインのものばかりだ。
「女の私より、キース様の方が詳しいですね。シドはどう思う?」
アンナに聞かれ、シドはアリスを見た。
「…僕は似合うと思います。」
シドの言葉にアリスは顔を赤くした。
「…じゃあ、これにするわ、、」