白雨の騎士
「アリス様、そろそろ音楽会の時間です。」
そこへソフィアが部屋に入って来た。
「…では、打ち合わせは以上です。」
パレードの打ち合わせは終わり、シドはソフィアと共に音楽会に付き添った。
「…アリス様、シドの事が好きなんですね。」
アリス達が執務室を出てだ後、キースが机に広げた地図を片付けるアンナに言った。
「…キース様って、洞察力鋭いですね。」
「キースでいい。これからはアリス様を支えていくチームなんだから。それと、誰でも気がつくでしょう、あのアリス様のシドを見る目を見れば。」
キースは椅子に腰掛けると、窓から外を眺めた。
「…恐らくオーギスト様も気が付いているでしょうね。だから今回私と一緒にシドが選ばれた。」
「でもシドは気が付いてないようだな。」
キースはふっと笑みを溢した。
「シドは近衛隊になる事が夢だったようで、それ以外の事は見えてないんです。いつも一生懸命で、真っ直ぐで、そんなシドだからアリス様も惹かれたんでしょうね。」
そう言うアンナの顔をキースは覗き込んだ。
「…何ですか?」
「アンナもシドの事が好きなんだな。」
キースの言葉にアンナは少し顔を赤くしたが、いつものようにポーカーフェイスは崩さなかった。
「へー、シドってモテるんだな。まぁあの容姿なら無理ないがな。」
「別に、私は容姿に惹かれたんじゃありません。」