白雨の騎士
アンナに付いて近衛の練習場にやって来た。

数名の騎士が剣の稽古をしていた。

みんなガタイが良く、稽古の様子を見学してシドはゴクリと喉を鳴らした。

「…みんな集まってくれ。」

アンナの掛け声で全員集合した。


「今日から我が第1部隊に入団するシドだ。」

シドは前に出て敬礼した。


「シドと申します!よろしくお願いします!」

シドは少し緊張し、手に汗が滲んだ。


「シドも今から稽古に混ざってくれ。リダ!お前が相手をするんだ」

名前を呼ばれ、一際身体が大きい男がやって来た。

背はシドの頭二つ分程あり、がっしりとした腕や足の筋肉は相当鍛えらているようだ。


リダはシドに木刀を渡した。

シドには木刀を構えると、鋭い瞳のリダに一瞬引けをとった。


ダンッ!!!

リダは容赦なく木刀を振りかざした。

どうにか木刀を受けるが、その度振動で手にジンっと痛みが走った。


「…くっ」

大きな身体がしているが、リダは非常に身軽に攻撃を仕掛けてくる。

シドは受けるので精一杯だった。

「はっ!」


一瞬の隙をつかれ、木刀が宙に舞った。

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