白雨の騎士
「…アリス様、ご無事で本当に良かったです。」


アリスは窓辺に座り、外を眺めた。


「オーギスト様が、舞踏会は暫く開かないと。その方がいいですよね。これで二度目ですもの…」


ガタッ


すると、アリスは急に立ち上がり窓の外へと出た。


「アリス様?!」


窓を開けると、目の前に虹が架かっていた。


「わぁ…」


アリスは目をキラキラさせて虹を眺めた。


「まぁ、そう言えばさっき雨が降っていましたね。」

ソフィアもアリスの隣に立ち空を眺めた。


「…やっぱり、あの人が来ると虹が出る。」

アリスはポツリと呟いた。


「アリス様、あの人って?」


ソフィアの質問には答えず、部屋に戻り机の中に大事にしまっていた一枚の絵を取り出した。
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