偽物の恋をきみにあげる【完】
週明けの月曜日は大雅と過ごした。

大雅は忙くて寝不足なのか、欠伸ばかりして、あまり血色が良くなくて、それに少しだけ痩せた気がした。

「今日あんま腹減ってないんだよね」

そう言って、夕飯も軽くしか食べない。

「大雅、体調悪いの?」

さすがに心配になって尋ねてみると、

「溜まってっから体調よろしくはないよね」

あまりにくだらない答えが返ってきた。

「……3日前くらいに、放ってらっしゃいましたよね?」

「3日もあれば十分溜まるし!」

「知らんがな」

「てわけで、ヤらしてよ瑠奈ちゃん」

「うわー、サイテー」

……やっぱり気のせいかもしれない。

体調が悪いことも、ついでに、大雅がコタローくんかもしれないことも。

あのコタローくんが、こんな下品なこと言うわけがない。

「いいじゃん。俺のこと好きでしょ?」

「なにそれ、ズルくない!?」

私が抗議すると、大雅は急に真顔になった。

「うん、俺ズルいよ。ちょーズルい。ごめんね」

「ごめんねって……なにが?」

「いや……」

大雅は首を振ると少しの間黙り込んで、それからヘラッと笑った。

「お前を夢中にさせる罪なオトコでごめんねー」

「なんだそりゃ」

大雅はいつも、肝心なことははぐらかす。
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