偽物の恋をきみにあげる【完】
*****
──木曜日。
今日から2泊3日で大雅と四国旅行だ。
結局いろいろとわからないままだが、一旦忘れて旅行を楽しむことにした。
駅で待ち合わせをして、高速バスで空港に向かう。
昨日の夜はぐっすり眠れたのか、今日の大雅は体調がよさそうだ。
「行き先、高知なんだね」
大雅の生まれ故郷は高知なんだそう。
高知のことはよく知らないけれど、最近龍馬の話題を何度か話したばかりだし、わりと楽しみだ。
「あ、瀬戸大橋とか見に行きたい?別に時間は全然取れるよ。なんなら延泊してもいいし」
「高校の修学旅行で行ったから大丈夫でーす。小豆島行ったんだよ」
「うっそ、俺、中学も高校も、京都中心本州コースなんだけど!」
「わーかわいそー。あ、そういえば中学ん時の修学旅行同じ班だったよね」
「だね。部屋別で全然意味なかったけどな」
「え、なんで? 同じ部屋だったらなんかあったの?」
「襲ってた。つーか実際夜這いしに行くか真剣に悩んだし」
「うわー……思いとどまってくれて本当によかったわ」
「いや、瑠奈達の部屋に忍び込もうとしたら、先生に見つかったんだよねー」
「思いとどまってなかった!」
静かなバスの中で、恥ずかしげもなくそんな馬鹿な話をして過ごした。
──木曜日。
今日から2泊3日で大雅と四国旅行だ。
結局いろいろとわからないままだが、一旦忘れて旅行を楽しむことにした。
駅で待ち合わせをして、高速バスで空港に向かう。
昨日の夜はぐっすり眠れたのか、今日の大雅は体調がよさそうだ。
「行き先、高知なんだね」
大雅の生まれ故郷は高知なんだそう。
高知のことはよく知らないけれど、最近龍馬の話題を何度か話したばかりだし、わりと楽しみだ。
「あ、瀬戸大橋とか見に行きたい?別に時間は全然取れるよ。なんなら延泊してもいいし」
「高校の修学旅行で行ったから大丈夫でーす。小豆島行ったんだよ」
「うっそ、俺、中学も高校も、京都中心本州コースなんだけど!」
「わーかわいそー。あ、そういえば中学ん時の修学旅行同じ班だったよね」
「だね。部屋別で全然意味なかったけどな」
「え、なんで? 同じ部屋だったらなんかあったの?」
「襲ってた。つーか実際夜這いしに行くか真剣に悩んだし」
「うわー……思いとどまってくれて本当によかったわ」
「いや、瑠奈達の部屋に忍び込もうとしたら、先生に見つかったんだよねー」
「思いとどまってなかった!」
静かなバスの中で、恥ずかしげもなくそんな馬鹿な話をして過ごした。