偽物の恋をきみにあげる【完】
帰宅したら、大雅のことはあれこれ考えない。

連載を執筆する時に、ネタとして思い出すだけだ。

すぐにシャワーを浴びて、心も体もリセットした。

勿論、すっかり習慣の缶ビールも忘れない。

キンキンに冷えたビールを片手に、いつものようにパソコンの前に腰を下ろした。

今日もシャワーがやけに熱くて、夜気で冷えていたはずの私の体からは、ほんのり湯気が立っている。

缶ビールをひとくち喉に流してやると、少しだけ体の熱が引いた気がした。

22時40分、あと20分か……。

最小化してあったムーンリバーのマイページを表示させる。

『南川さん、いつも楽しく拝見させていただいてます。毎日寒いですね、お身体ご自愛くださいね。』

『月さん、更新楽しみにしてる! でも無理しないでね!』

『わー、コメントありがとです! めっちゃ面白いです、続き楽しみ~』

読者さんからいくつかコメントが寄せられていて、温かい言葉に頬が緩んだ。
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