偽物の恋をきみにあげる【完】
『あの、つーちゃん』

そういえば中学時代までは、女友達から「るーちゃん」と呼ばれることが多かった。

つーちゃんとるーちゃんが似ているせいか、つーちゃん呼びまでなんだか懐かしい。

もし私が瑠奈という本名を教えたら、彼は「るーちゃん」と呼ぶのだろうか。

「なあに? コタローくん」

『僕から付き合おうって言ったくせに……他人行儀で寂しいなんて思わせてすいません 』

そんなことをわざわざ謝るなんて。

前々から思っていたけれど、コタローくんはとても真面目で誠実な人だ。

彼氏でもないのに私を抱いて、終わったらさっさと帰る、どっかの誰かさんとは大違い。

「つーちゃんって呼んでくれたから許す♪」

『よかった(笑) そうだ、あのですね』

「なに?」

『ちゃんと好きですよ』

急に送られてきた一言を読んで、私の頬は年甲斐もなく上気した。

こんなの不意打ちだ。
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