偽物の恋をきみにあげる【完】
コタローくんの『好きだよ』に対して、私は当たり前のように「私も好き」と返す。

そのやり取りの瞬間は、まるで綿菓子みたいにふわふわと甘くて、こそばゆくて、私の心は幸せな気持ちで満たされる。

けれど、パソコンを閉じてベッドに入ると、途端に大きな寂しさに襲われるのだ。

寂しさ? ……いや、空しさかもしれない。

私を好きだと言うのなら、何故コタローくんは私の隣にいないのだろう。

ネット彼氏というものに、私はまだ、全然慣れることができない。


大雅ともなかなか予定が合わず、やっと会えたのは金曜日だった。

「俺に会えなくて寂しかった?」

家に着くなり、彼はそう言って私にキスをした。

まるで恋人気取りだ。

「別にー、全然」

そう返せば、「相変わらず素直じゃねーな」と笑いながら、私をベッドに押し倒す。

素直じゃないってなんだろう。

こいつは、私が自分のことを好きだと思っているのだろうか。

腹立たしいことこの上ない。

私が好きなのはコタローくんだ。

アンタじゃない。
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