偽物の恋をきみにあげる【完】
……好きじゃない、だって。

うん、知ってた。

「……あはっ」

私の口から漏れたのは、乾いた笑い声だった。

「何ごめんねって、ウケるんだけど」

軽い口調で言って、あははは、とまた声に出して笑った。

大丈夫、なんてことない。

「ごめんとか調子に乗り過ぎ」

「……」

「てか、私も全然好きじゃないし」

「お前……」

「あ、でもねー、大雅のカラダはわりと好」

「瑠奈!」

突然、大雅に強く抱き締められた。

……意味わかんない。

好きじゃないとか、抱き締めたりとか、なんなの、バカにしてるの、全然意味わかんない。

「ごめん。頼むから……泣かないで」

そう言われて初めて、自分が泣いていることに気づく。

……最悪だ。

大雅の前で泣くなんて。

私の本当の気持ちなんて、知られたくないのに。

「……帰って」

「瑠奈……」

「お願いだから、もう帰って」

「俺は……」

大雅は一瞬何か言おうとして、でも首を横に振ると、私の体を解放した。

そして、

「ごめん」

もう一度その言葉を吐いて、静かに部屋を出ていった。
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