偽物の恋をきみにあげる【完】
こんなの、とっくに知っていた。

私のことを好きじゃないことくらい、ちゃんと分かっていた。

カラダの関係だと割り切っていた。

なのに、大雅がクリスマスイブを一緒に過ごそうなんて言い出すから。

まるで本物の恋人同士みたいな約束に、ほんの少し舞い上がっていただけ。

……。

…………大丈夫。

私は涙を拭い、テーブルを片付け始めた。

あんな大雅《バカ》に好かれなくても、私は平気。

だって私には、コタローくんがいるもの。

早くコタローくんとお喋りしたい。

今日は『好きだよ』をいつもよりたくさん言ってもらおう。

そしたらこんなくだらないこと、きっとすっかり忘れられる。

カレー皿を綺麗に洗い終えた頃には、だいぶ気持ちも落ち着いてきた。

うん、平気。

いつも通りパソコンの前に座った。

時刻を確認すると夜の8時過ぎで、コタローくんから連絡が来る11時まで、まだ3時間近くある。

「コタローくん、今忙しい?」

返事なんてすぐに来なくてもいい。

ただ、彼の存在を少しでも感じたくて、私はメールを送信した。
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