偽物の恋をきみにあげる【完】
昼休み、いつも通り社員食堂でランチをしたあと、私は1人でコンビニに出かけた。
みんながクリスマスの予定を話し始めたから、話題を振られる前に退散したのだ。
すぐ目の前の公園で、コンサートだろうか、聖歌隊の格好をした大人達が気持ちよさそうにゴスペルを歌っている。
その横を早足で通り過ぎ、聖歌隊の声から逃がれた先のコンビニでも、店内に流れているのはクリスマスソング。
やたら赤と緑の商品や装飾が目に付いた。
どこもかしこも、クリスマスクリスマス。
コンビニでコーヒーを買って、そそくさと会社に戻った。
あら、あれは……。
外での昼食帰りなのか、エレベーター前に喜多野課長の姿を見つけた。
長身イケメンだから、とても目立つ。
向こうは私を認識していると思えないが、一応「お疲れ様です」と会釈をする。
「ああ、企画部の。えーっと……」
「あ、及川瑠奈です」
答えてから、どうしてフルネームを言ってしまったのだろうと恥ずかしくなった。
「ルナさん。いい名前ですね」
「えっ……」
その穏やかな話し方が、まるでコタローくんのようで、思わずドキリとしてしまった。
「あれ? 僕変なこと言いました?」
「あ、いや、えっと、ありがとうございます」
慌てて取り繕った時にちょうどエレベーターが開いたので、私はさりげなくトイレに避難した。
みんながクリスマスの予定を話し始めたから、話題を振られる前に退散したのだ。
すぐ目の前の公園で、コンサートだろうか、聖歌隊の格好をした大人達が気持ちよさそうにゴスペルを歌っている。
その横を早足で通り過ぎ、聖歌隊の声から逃がれた先のコンビニでも、店内に流れているのはクリスマスソング。
やたら赤と緑の商品や装飾が目に付いた。
どこもかしこも、クリスマスクリスマス。
コンビニでコーヒーを買って、そそくさと会社に戻った。
あら、あれは……。
外での昼食帰りなのか、エレベーター前に喜多野課長の姿を見つけた。
長身イケメンだから、とても目立つ。
向こうは私を認識していると思えないが、一応「お疲れ様です」と会釈をする。
「ああ、企画部の。えーっと……」
「あ、及川瑠奈です」
答えてから、どうしてフルネームを言ってしまったのだろうと恥ずかしくなった。
「ルナさん。いい名前ですね」
「えっ……」
その穏やかな話し方が、まるでコタローくんのようで、思わずドキリとしてしまった。
「あれ? 僕変なこと言いました?」
「あ、いや、えっと、ありがとうございます」
慌てて取り繕った時にちょうどエレベーターが開いたので、私はさりげなくトイレに避難した。