あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「ちょっと澪、何緊張してんの。緊張するのはわかるけど今は写真に集中!」

「う、うん」

愛にいわれて気持ちを切り替える。


「はーい、とるよ-」

田中君のお母さんがカメラマンをしてくれるらしい。

「はい、チーズ!!」

田中君のお母さんがとってくれたこのクラスで撮った最後の写真。
この写真はこの先何年も私の机の上に飾られることになる。




「ねえ澪、メッセージ書いてよ」

「もちろん。私のも書いて」

「はいはいー」


写真を撮ったあとはみんなでメッセージの書きあいをした。卒業アルバムの最後のページの真っ白な自由欄は瞬く間にみんなのメッセージで埋まった。
これはきっと私の宝物になるだろう。


「それで?いつ告るの?」

「?!」

クラスメートの卒業アルバムにメッセージを書いていると、突然耳元でそんなことをささやかれた。

「愛!おどかさないで!それに・・・こんなに人がいるんだもん。ほとんどみんなが帰ってからがいい」

「そんなのんきなこといってたら、一ノ瀬が帰るよ?」

「大丈夫、一ノ瀬くんは女子に告られまくってなかなか帰れないはず」

「あー、なるほど」


まあそれも彼女が途中でできてしまえば関係ない話なんだけどね・・・
< 88 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop