あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
なかなか帰るそぶりのないみんなだったけれど、三時前になるとだんだん人数が減ってきた。

そんな中私は莉子と愛とともに教室にいた。
もうこの教室には私たち以外いなくて、とても静かだ。


「卒業だね」

莉子がぽつりとつぶやいた。

「早いねえ」

愛がしみじみとつぶやく。


もう、こうやって毎日二人と過ごすことができないんだ・・・
また会える。二人とも実家を出るわけでもないから、連絡すればすぐに会える。
だけど、だけど・・・


「っ、もう一緒に過ごせないなんて、やだよ・・・」

「澪?」

「な、泣かないで!またいつでも会えるでしょ?」

「でも、さみしいよ」

涙があふれて止まらない。これ以上は二人も困っちゃうから止めようと思うのに涙が止まらない。

「しょうがない。泣きたいだけ泣いちゃえ!」

莉子はそう言って私の頭をなでる。

「仕方ないなあ」

愛も苦笑いしつつも私の横にいてくれた。

本当に最高の友達を持った。これから離ればなれになるのはさみしいけれど、これからもずっと仲良しでいたいな。


「これからも、仲良くしてね」

泣きながらそう告げると、

「もちろん」

「当然じゃん」

満面の笑みで二人は答えてくれたのだった。
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