あの日勇気がなかった私たちは~卒業の日~
「さあ、どうする?」

「私は一人で大丈夫。だから二人は先に帰っておいて。どんな結果であれ結果は教えるから」

「わかった」

「それじゃあまた、春休み遊ぼうね」


二人を先に帰し、私は教室を出た。一ノ瀬くんに告白するならばまず、一ノ瀬くんを探さなければ。
そのためにほとんど人影のない校舎を一人で歩く。

(どこにいるんだろう・・・)

校舎内はほとんど見た、でも☆は見当たらない。
あと考えられるのはーーー

(中庭か校舎裏・・・)

そう考えた私はまず中庭に行くことにした。
しかし中庭は誰もおらず、草花だけが風に揺れていた。


(となると校舎裏・・・)

なんというか告白する場所の中でもベタだな・・・


三年生が主に使う北校舎の裏に向かうと、思った通り一ノ瀬くんの背中がみえた。
しかし相手が誰なのかはわからない。☆の背中で完全に隠れてしまっている。
少し場所を変えて改めて覗いてみると、

「!?」

今、一ノ瀬くんの目の前にいたのは九重さんだった。
しかも風の流れで声がここまで聞こえてくる。


「ごめんね、呼び出して。沢山の人に呼び出されて疲れたでしょう?」

「まあな。それで?杏奈は何のよう?」

「何が用事かなんてわかっているでしょう?」



「・・・!」

そこまで会話を聞いて私はその場を走り去った。
目的なんてなくただ校舎の中に駆け込む。


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