溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
早く、一刻も早く元の世界へ戻りたい。

なに、この雰囲気。

もう、無理だってば。

慶太に告白されたとき、こんなこと思わなかった。

もっと穏やかな心境だったはず。

私の視線は東雲さんから、照明が反射してる床へと形をかえた。

「恋愛は不要ってどういう意味?」

かかる息が近い。

そう思って視線を斜め上に持ってくと、間近に迫る東雲さんと目が合った。

また、まただ。

落ち着かない。ザワザワとうるさいくらいに、私を取り巻く鼓動。

「あの、近すぎるんですけど。」

「質問に答えたら離れる」

「言いますから離れて下さい。」

スッと後ろに身体を傾けたのを確認して、私は恋愛が必要ない経緯を話すことにした。

言わないとフェアじゃないしね。

本音はあまり言いたくはないけど、、、。

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