俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
私が子供たちに囲まれていると、「王女様、いつもありがとうございます」と施設長のモリーさんが穏やかな笑みを浮かべながらやって来た。

「子供たちも大喜びでして、私も嬉しいです。王女様と関わることができて幸せです!」

恭しく頭を下げるモリーさんに、私は「いえ、今は一般人ですよ!」と笑った。

モリーさんは、リーバスがいた時から施設長をしている。リーバスの幼い頃も知っているだろう。

「あの!あとで、リーバスのことを聞かせてくれませんか?彼の幼い頃を知りたいんです!!」

私がそう言うと、「もちろん!喜んで!」とモリーさんは笑う。

私はホッとしながら、子供たちに絵本の読み聞かせをする準備を始めた。

リーバスの話が聞けたのは、お昼ご飯を食べ終わって子供たち(主に赤ちゃんから六歳までの子たち)がお昼寝の時間になった頃だった。

小学生・中学生の子たちは、自主学習の時間になるので、この時間帯はいつも暇になる。いつもは職員の人たちとお喋りをしているけど、今日は違う。

モリーさんの部屋で、アップルティーを飲みながらリーバスの話を聞いていた。
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