俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
モリーさんが憂いを帯びた笑顔で訊ねる。

私は明るい笑顔で言った。

「はい、とても元気です!正義感が強くて、しっかりしていて、仕事も真面目にしていて、優しくて、とってもステキな恋人です!」

リーバスのいいところを上げたらきっとキリがない。それくらいリーバスが大好き!

「ならよかったです。……幸せになってください。貴女も、リーバスも」

モリーさんは優しい笑みで言う。私は「もちろんです!」と大きく頷いた。

どんなことがあっても、決して離れないと信じて。どんなことがあっても、リーバスを愛し続けると誓って。



夕方五時。俺はクリスタルを迎えに孤児院へと向かっていた。

孤児院に行くのは、出て以来初めてだ。まだ施設長はモリーさんだとクリスタルが言っていた。挨拶はしていかないとな。

時間はまだあるから、どこかでデートをするのもいいかもしれない。話して、抱きしめて、キスをしたい。

俺が足を早めていると、曲がり角で誰かとぶつかってしまった。かなり強くぶつかってしまったようだ。俺は尻もちをついたがすぐに立ち上がり、相手に手を差し伸べる。

「すみません。大丈夫ですか?」

ぶつかったのは、高そうなスーツを着た男性だ。貴族だろうか。となれば厄介だ。お金を請求されるかもしれない。
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