もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
だから気にするな、と自分自身に言い聞かせ、足を進めたその時。
扉が勢いよく開く音がした。
思わず振り返れば、そこには健斗の姿があって。
「唯香、勝手に帰るなよ」
私に対しても不機嫌な顔でそう言ってきた。
「ご、ごめん……忙しそうだったし」
「そもそも、ここからの帰り道わかるわけ?」
「スマホあるし、方向音痴じゃないから大丈夫!
あと明るいし」
笑顔でそう言えば、健斗にため息をつかれてしまった。
「まだいれば良かったのに」
「えっ……」
「じゃないと俺が頑張れない」
そう言うと、健斗は私に近づいてきて、そっと抱きしめられた。