もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「有名?私が……ですか?」


そんなこと、あるはずない。
先輩や健斗に比べたら、私なんか全くだろう。


「うん、そうだよ。
君が“図書室の天使”って言われてるの、知らない?」



なんということだろう。

昨日、ふたり組の先輩たちが言っていたことを、先輩も口にしたのだ。


もはや驚いて声も出ない。


「その反応、知らなかったんだね」


先輩は優しく笑う。
目を細めて、穏やかに。



「だ、だって私が……そんな」
「きっとその反応も全部、男の心掴むんだろうな」

「えっ……と」


その反応って言われても、普通に考えて驚くことしかできない。

< 58 / 269 >

この作品をシェア

pagetop