もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「で、でも私より先輩のほうが有名かと……!」
「俺?俺なんか全然だよ」
「ぜ、全然って……2年でも有名なんで!
先輩はバスケ部のキャプテンだし、人気で……」
整った容姿をしているし、さわやかでかっこいい人。
さらには人当たりも良いのだから、人気で当然だ。
「そこまで言われると照れるな。
ただのバスケ部のキャプテンなだけなのに」
「そ、そんなことないです!一回試合観たことあるんですが、とても目立ってました!」
「観にきてくれたことあるの?ありがとう」
私の言葉に少し驚いた様子の先輩。
そりゃそうか。
話したこともない人に、自分のプレーが見られていたのだ。
だけど先輩は人気者だから、私が行った時も多くの女子が観に来ていた。
それなのに嫌な顔ひとつしないってことは、慣れてるのかな?なんて思いつつ。
今だって驚きながらも、お礼を言われたのだから。