もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
先輩の名前は、光原 透哉(みつはら とおや)というらしく。
これからは光原先輩と呼ぶことにした。
「君の名前は?」
私が光原先輩の名前を聞いたら、今度は私の名前を聞かれて。
「鈴野です」
「いや、苗字じゃなくて下の名前」
「あっ、唯香って言います」
まさか下の名前を聞かれるとは思っておらず、不思議に思いながらも答えてみれば。
「じゃあ唯ちゃんって呼ぼうかな」
なんとあだ名をつけられた。
唯ちゃんって、中学生の頃までよく呼ばれていたから懐かしい。
高校になれば、私を知る人も少なくなり。
唯ちゃんと呼ばれることはなくなったのだ。