もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「中学の時まで、よくそうやって呼ばれてました」

なんだか親近感が湧く。
もちろん私のみ、だけれど。


「そうなんだね。なら決まりで」
「はい!なんかすごい縁ですね」


もし今日、光原先輩に朝練がなければ会うことすらなかったわけだし。

私たちが違う車両に乗っていれば、私が寝不足じゃなければ、こんな風に話をすることもなかった。


「俺もこの状況にびっくりだな」
「本当に偶然ですね」


光原先輩は話しやすくて、なんだかとても落ち着いた。

基本男子と話すのが苦手な私だけれど、光原先輩は健斗と同じで大丈夫だったのだ。


きっと光原先輩の優しい人柄が、そうさせているのだろう。

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