もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
駅に着いてからも、自然とふたりで歩きながら話していて。
一度外の空気を吸ってから、幾分体も軽くなり。
もちろん寝不足のため、少しだるいところもあるけれど、先ほどに比べれば何倍もマシだった。
本当に光原先輩には感謝しかない。
「ねぇ、あれ……!」
「え、嘘だろ?」
だけど、今はそれどころじゃなかった。
さっきからチラチラと視線を感じるのは、気のせい……じゃない?
「なんか、視線感じませんか?」
気のせいだったら嫌だと思い、質問形式で光原先輩に聞いてみれば。
「まあ、唯ちゃんが隣にいるからね」
光原先輩は、まるでこの状況が当然だとでも言いたげにそう話した。