もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
それも、私がいるからって……原因は私ってこと?
絶対違う気がする。
というか、きっとみんな光原先輩を見ているんだ。
つまり『なんであんなブス女が光原先輩の隣にいるんだ』という、嫉妬の眼差しに違いない。
それを理解した途端、さーっと血の気が引くような感覚に陥り。
「あ、あの……自分の命のために、私先に行ってもいいですか?」
「唯ちゃん?」
これは今すぐ逃げ出すしかないと思い、一度大きく息を吸ってから光原先輩のほうを向いた。
「す、すいません!私、先行きます!」
そう言って走り出そうとすれば、なんと光原先輩に腕を掴まれる。
「いや、周りの視線どうこうより、唯ちゃんの体のほうが心配だから」
優しい先輩は、まだ私のことを気にかけてくれているようだ。