思いは海の底に沈む【完】
…。




「えって?」

『いや、だって柊さんゲイでしょ!?俺、何度も言いますけど女だよ。
まだ、申請とかしてないから世間的に男だけど
柊さん、一体何のつもり?』

「何の…?」

『それは柊さんが女装を好む変態なのはわかるけど
それなら他にも綺麗に女の子の格好出来る男性は他にいるよ?』

「変態扱い…?」

『というか、緑川さんとはどうなの?』

「…」






柊さんは絶句してる…。
まさか、緑川さんにふられちゃったかな




「湊、私はゲイではありませんので緑川を眼中に入れたことさありません。
私がその…女装させるのはあなたが可愛いからです
最初に女装させたのはまだ、気がついてなかった頃ですから悪戯でした
でも、男性でも覚悟はしてました

私は、最初に出会ったときあなたの無邪気で人懐こい振る舞いをするのに本当は責任感が強く根性があるところに惹かれていました
靴擦れで痛くても、熱で魘されても他人にそんな弱味を見せずに言い訳もしない
あなたのそうゆう所が好きです

あなたは覚えていませんよね。白石の媚薬に魘されたとき
あなたに強引にキスされました」

『ごめんね…』

「あのとき、もう戻れないと確信しました。
あなたを誰にも渡したくない。独占欲が沸きました。
でも、あなたは同性である彼女の彼氏だと言い張る

あなたを見るのがどれだけ苦しかったか
一緒にいれば絶対にこの時間が終わらないで欲しいとどれだけ願った事か」



俺が盛大に勘違いしてしまったので丁寧に柊さんは説明してくれてるんだけど
そんなに好き好き言われても恥ずかしくなってくる



『…俺も、美代子さんの彼氏という役目を負いながら
柊さんといるとき、女の子扱いしてくれるから幸せだった
終わってほしくなかったのは俺も同じだよ』

「湊、付き合ってください…」

『ふふ、結婚を前提に、でしょ?』






俺たちはキスを何度か繰り返した






「あなたはキスが上手いから、もう私以外の人とキスをしてはいけません」

『へへ…しないよ。俺も柊さんとのキス、好きだけどな』

「//…我慢できなくなるのでそうゆうとこを言うのは止めてください」

『ははっ。うん、早く帰ろ』




柊さんは手を離して車を走らせた
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