思いは海の底に沈む【完】
恐る恐る太一の方を見ると目が合う


あの夜のこと、覚えてたのかな?





「み、湊、話が…」

『うん、何?ここで話して』

「…」


怖いけど逃げたり、しない。太一に立ち向かう

太一は思い詰めたかのように口ごもる




『皆の前で話せない内容なら一生太一の胸にしまっておいてよ
このまま問題起こしたくはないだろう?』

「…っ」



他の3人が頭に疑問符を浮かべていたので答えた


『この前、太一に女と間違えられて押し倒されたんだよ~、こいつ酒ぐせわりーよな』

「太一マジサイテー」

「おまっ、湊はいくらちっさくてもおっぱい無いんだぞ」

『ホントだよな~!』




太一は腑に落ちない、苦しそうな顔をしていた




その日は、太一の苦しそうな顔が忘れられず
眠れる気がしないので緑川さんの家に泊まることにした


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