思いは海の底に沈む【完】
緑川さんのお家に泊まるのは結構多くて

美代子さんが帰ってこない日は割りと緑川さんの家の方が会社から近くて便利なんだよね



柊さんも何故か来てくれた




「柊。あなたはお嬢様の護衛につかなきゃダメじゃない?ここはアタシに任せて」

「何を言いますか。襲われたらどうするんですか」

『え、その、大丈夫だよ。多分』

「「湊の大丈夫は信じられない」」




仕方なく川の字で寝ることになった




夜中、トイレで起きると二人とも居なかった



静かに探し回ると

緑川さんが柊さんに銃を突き立ててた

あ、銃はおもちゃね
昔緑川さんは外国の傭兵だったらしくてその名残で持ってないと落ち着くとかいないとか



すると柊さんもポケットから銃を出した



…あの二人、サバゲー仲間なのかな?




「湊の個人情報はないわよ。身分証は全てアタシが隠したわ。最初からそのつもりだったのね」

「まったく、緑川は相変わらず手が早い。お嬢様から頼まれたんです。可笑しいでしょう。出生のデータが1つもないなんて」


1つも…。
柊さんは俺の事を嗅ぎ回ってるってこの事だったんだ

そっか。今まで助けてくれたのはこの為だったんだ

そう、言ってたよね。本心だったんだ…。
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