思いは海の底に沈む【完】
俺、柊さんとってもいい人で友達になりたいって思ってたのに



「まぁ、裏表が無いってことよね。女王には伝えておくわ。そうか、あなたの初めての汚点だから悔しいのね」

「そうですね。お嬢様に支えてミッションを失敗したことはありませんでしたから」



お嬢様?ミッション?女王?
女王ってもしかして





その時、空気も読めず電話がなった


ディスプレイを見ると美代子さんだった

こんな時間にどうしたんだろう…。




『美代子さん?どうしたの?』

「湊!どこにいるの?早く帰ってきてよ!!助けて湊!!」

『分かった。安心して、すぐ帰るから』






二人は当たり前の事ながら気がついていた

悪そうな顔をしている





『ごめん。美代子さん慰めてくる。緑川さん、また会社で』

「送るわ」




緑川さんが車を出してくれた


緑川さんは車を運転しながら説明してくれた



「さっき聞いた通りだわ。あの男は女王の為にあなたを助けた
そして、女王はアナタの事を知りたがっている」

『教えるつもり、ないよね?』

「大丈夫。柊に見破られないように隠したから」

『ありがとう。知られたら俺も美代子さんも暮らしていけなくなっちゃうからね』

「ショックだった?柊があんなこと…」

『俺、柊さんの性格面白いから友達になってみたかったんだ。それだけだから』




本当、それだけだから

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