思いは海の底に沈む【完】
駅に着くとショーまで少し時間があった




会場までの道をゆっくり堪能しながら歩いてるとジュエリーショップに目が止まった




『柊さん!キラキラしてる~』

「いや、それはジュエリーですから」

『そういえば、乙羽さんの作ったジュエリーも魅力的だったよね』

「欲しいんですか?」

『いやいや、そんなわけないって!ちょっと気になっただけじゃん』





柊さんは店に入って行った

俺も慌てて追いかける






「湊、時間をかけていいですから好きな物を選びなさい」

『だから柊さん、そんなことしなくていいから。
いつもシルバーアクセばっかだから本当のとこよく分かんないし』

「ではこれをください」

「畏まりました」

『え、え、要らないって言ってるじゃん!』





ちょっと!柊さん、俺の話無視して買ってるし!


柊さんはジュエリーを手に取ると俺の首に手を回す

「…」

『…』


顔が近くてくすぐったいよ






『柊さん、こんなことされたら女の子は喜ぶね』

「そうですか?では、行きましょう」




< 67 / 209 >

この作品をシェア

pagetop