狼を甘くするためのレシピ〜*
「お疲れさま、彼は何て?」

「ここです。このカフェに来るように言われました。間もなく燎さんがこれからここに来るそうです。仁がいるはずだから一緒に待っていてくれって。それから赤坂に行くそうです」

「なんですって?! よりによって燎までここに?」

 これは偶然なのだろうか?

 運命のいたずらにしては出来過ぎているのではないかと、蘭々は愕然とする。

「はい。よりによって……すみません」

「あやまらないで、紗空ちゃん、これも何かの運命と偶然なのよ」
 そうなのよと、ひとり頷きながら蘭々はふぅーと息を吐いた。

 ケイはいずれにしても、仁がここにいるのだから燎が来るとしても不思議なことではない。

 偶然と偶然が重なっただけだ。
 それを運命というのかもしれないが――。

「ありがとうね。今日は帰るわ。みんなとここで会ったら厄介だから」

「すみません。なんの力にもなれなくて」

 紗空ががっくりと肩を落とした。
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