狼を甘くするためのレシピ〜*
「オッケー」と笑みを浮かべながら、蘭々はしみじみ思う。
 仁は本当に頼もしい存在であると。

 ひとり目の彼や二人目の恋人が、別れることを嫌がってストーカーまがいの行動に出た時も、仁が仲裁に入ってくれた。
『いい加減にしておけよ』仁がそう言って冷ややかに睨むだけで、彼らは尻尾を巻いて引き下がった。

 家庭のことや仕事のこと。
 ついには痴話ゲンカの仲裁と、これまでどれくらい助けてもらったかわからない。

 そして今も、仁、助けて!心の中でそう訴えている。

 ――私、もう、どうしていいかわからない。
 でも蘭々はそれを声に出せなかった。
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