狼を甘くするためのレシピ〜*
 ***

「お疲れー」

「お疲れさまでした」

 月子と森のふたりはカウンターに座り、ワイングラスを傾けている。

 仕事帰りにちょっと飲みに行こうということになり、月子がお気に入りという店に来た。
 店の名はレストランバー『執事のシャルール』

 彼女言わく執事っぽいマスターと店の名前が最高だということだ。

「ビックリしましたよ」

「ほんと、なかなか見られない光景だったわね。でもちょっと面白かった」

 アハハ、と月子は笑う。

「一体なにがあったんでしょうね」

「うーん。女絡みじゃない?」

「ああー、やっぱりそんな感じですかね、それ以外に思いつかないし」

 もっともらしく森は頷いた。

 今日の夕方、Vdreamで事件は起きた。
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