狼を甘くするためのレシピ〜*
「森くん、見たんでしょ。殴られる瞬間」

「見ましたよ」

「見たかったわー、どんな感じだったの? 社長やられっぱなし?」

「僕が見た時は、社長の後ろから氷室さんが歩いていて、『おい』とかなんとか声をかけたんですよ。で、社長が振り返った瞬間にバシッ!『見損なったぞ』とかなんとか」

「おおっ」

「不意打ちですからね。戦闘態勢に入っていませんから、あれじゃ、避けられませんよ。そのまま社長は倒れました」

「うーん。その一発だけ?」

「多分。僕はそのままダッシュして月子さんに知らせに行っちゃったし」

「ああ、残念だわ、その瞬間が見れなくて」

「月子さん、楽しんでますよね」

「そりゃそうよ、その後ふたりは和解しているんだもの。何の心配もないでしょ?」

「まぁ、そうですね。それにしても、ネックレスが鍵ってことなんでしょうかね」
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