狼を甘くするためのレシピ〜*
今から三日前。
紗空は、カフェで蘭々と別れてからずっと泣いていた。
ウッ、ヒック、ヒック……。
『……信じられない』
女子トイレに籠っては泣き、唇を噛んだ。
『酷い! 酷すぎる!』
握った拳がわなわなと震える。
紗空が蘭々を慕うのは、彼女が美しいからというだけではない。
彼女と紗空との出会いは青扇学園。
青扇学園は、政財界の御曹司や深層の令嬢、その他既に各界に名を馳せている人物や、ずば抜けて頭脳明晰な学生がずらりと揃う、特殊な学園だった。
紗空の実家はちょっとした小金持ちだったことから、学園に通うことになったというだけなので、彼女は空気のように目立たない存在だった。
更に言うなら、より目立たないように息をひそめていたと言ってもいいだろう。
地元では才色兼備のお嬢さまと謳われていたことなど、間違っても青扇学園の生徒たちには知られたくなかった。
もし知られたりしたら、『才色兼備のお嬢さま? あなたが?』そんな声が聞こえたに違いない。
自分を見失った自信喪失の日々。
そんなある日、彼女を見かけた。
紗空は、カフェで蘭々と別れてからずっと泣いていた。
ウッ、ヒック、ヒック……。
『……信じられない』
女子トイレに籠っては泣き、唇を噛んだ。
『酷い! 酷すぎる!』
握った拳がわなわなと震える。
紗空が蘭々を慕うのは、彼女が美しいからというだけではない。
彼女と紗空との出会いは青扇学園。
青扇学園は、政財界の御曹司や深層の令嬢、その他既に各界に名を馳せている人物や、ずば抜けて頭脳明晰な学生がずらりと揃う、特殊な学園だった。
紗空の実家はちょっとした小金持ちだったことから、学園に通うことになったというだけなので、彼女は空気のように目立たない存在だった。
更に言うなら、より目立たないように息をひそめていたと言ってもいいだろう。
地元では才色兼備のお嬢さまと謳われていたことなど、間違っても青扇学園の生徒たちには知られたくなかった。
もし知られたりしたら、『才色兼備のお嬢さま? あなたが?』そんな声が聞こえたに違いない。
自分を見失った自信喪失の日々。
そんなある日、彼女を見かけた。