狼を甘くするためのレシピ〜*
既に有名モデルであった彼女の存在はもちろん知っていたが、その日、彼女はひとりだった。木陰の目立たないベンチに座り、本を広げてはいたが、読んではいなかったと思う。
のぞき見なんて失礼なことだとわかっていたけれど、紗空はその場を動けなかった。
人形のように綺麗な横顔をもう少しだけ見ていたい。
その衝動を抑えることができず、木々の影からそっと蘭々を見つめた。
風が吹き、パラパラと本のページが風に踊らされても彼女はそれを抑えることもなく、見下ろしたままで、髪が揺れてもそのままで。
次の瞬間、ひときわ強い風が吹き上げた時、彼女ははじめて顔を上げて空を見上げた。
まるで、天使だと思った。
――見た目だけじゃないの。蘭々さんは本当に私の天使なの。
涙を拭いながら紗空は思う。
のぞき見なんて失礼なことだとわかっていたけれど、紗空はその場を動けなかった。
人形のように綺麗な横顔をもう少しだけ見ていたい。
その衝動を抑えることができず、木々の影からそっと蘭々を見つめた。
風が吹き、パラパラと本のページが風に踊らされても彼女はそれを抑えることもなく、見下ろしたままで、髪が揺れてもそのままで。
次の瞬間、ひときわ強い風が吹き上げた時、彼女ははじめて顔を上げて空を見上げた。
まるで、天使だと思った。
――見た目だけじゃないの。蘭々さんは本当に私の天使なの。
涙を拭いながら紗空は思う。