狼を甘くするためのレシピ〜*
「突然なんなんですか? 随分失礼ですね。私に答える義務はないし、聞きたいご本人に聞いてください」

 そんなバカな女は彼には似合わない。
 目力でそう告げた。

「すみません。失礼は承知です。でも、聞けないんです。聞きたいのに聞けない気持ちをわかってください!」

 紗空はいまにも泣き出しそうである。

「……ちょ、ちょっとなんなんですか」

 最悪な女だと思う。
 余裕をなくし、彼を信じることもできない。

 こんな女は彼の足を引っ張るだけだと、ただ呆れるばかりだ。

「私の大切な人が、傷ついているんです。私のとても大切な人が、ミナモトケイという人に」

 ――え?
 ということは、第三者ということか?
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