狼を甘くするためのレシピ〜*
***

「蘭々さん、いまのうち休憩してください。今日はずっと忙しくて疲れたでしょう」

 予定している休憩時間はあるが、客から『LaLaさんはいないんですか?』という声がかかると蘭々はその都度休憩を中断していた。

 今日はお昼も外に出ずに、買ってきてもらったサンドイッチを少しだけ食べただけである。
 気づけばその時少し休んだだけで、絶え間なく接客している状態だった。

「大丈夫だけど、でもありがとう。じゃ、何かあったら呼んでね」

 休憩室に入ると、コーヒーをいれて腰を下ろした。

「ふぅ……」

 忙しくてよかったのだと思う。

 心に隙があったなら、恐らくずっと、夕べのことを考えていただろうから。

 あまりよく眠れていないこともあるのだろう。
 座った途端に体のほうもホッとひと息ついたらしい。
 重力に負けたように、体が椅子に沈んでいくような錯覚を覚える。
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