狼を甘くするためのレシピ〜*
 洸と鈴木と一緒に、レストランに行く。

 恋をしたとは告白できないが、教えてほしいことがある。レストランに入り、食事を始めると、思い切って聞いてみた。

「ミナモトケイって、あなたたちもお友達?」

 最初に答えたのは洸だった。

「ああ、友達だよ。仕事仲間でもあるけどね。径生がどうかした?」

「どんな人?」

 次に答えたのは鈴木だ。

「何が知りたいですか?」

「できるだけ詳しく。彼のことなら何でも」

 ピクリと洸の眉が動き、鈴木はつかの間、蘭々をジッと見た。

「わかりました。他ならぬあなたの頼みですから、わたしの知る限りを話しましょう」

 鈴木はそう言って話し始めた。

 源径生は、今から三年ほど前、『株式会社Vdream』という、ゲームやVRの作成などを手掛けるシステム開発会社を興し、そこの代表取締役社長であること。

 それとは別に、径生にはKEIという別の名があり彼はネットで有名な個人投資家であり、彼がどのような銘柄を保有し売却するのか、それを知りたがる者は大勢いること。そしてそのKEIが彼だということはごく一部しか知らないということ。

 自由を好み、自然を好み、地方の若手の農業従事者を助け、大規模農園を支援していること。
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