狼を甘くするためのレシピ〜*
ドアベルがカランカランと鳴る。
濡れた服をハンカチで拭きながら店内を見渡すと、「いらっしゃいませ」とウェイトレスが笑顔を向けてきた。
カウンターには常連さんと思われる壮年がひとり。
白い髭のマスターらしき人となにやら楽しそうに話をしている。
床には段差があり、それぞれのテーブル席は絶妙な空間で仕切られていた。
でも、急に降り出した雨のせいもあるのか、どの席も埋まっているようで、案内しようと見渡したウェイトレスの女の子が申し訳なさそうに眉を下げる。
「カウンターでもよろしいですか?」
一瞬返事に迷ったその時、店の奥で手を挙げて左右に振っている若い男に気づいた。
――え?
その人は、軽トラックの彼だった。
ひとりで座っているらしく、彼はおいでおいでと手で招く。
向かいの席を指さして、空いているというジェスチャーをする彼は、相変わらずの気さくな笑顔を向けている。つられたように蘭々もクスッと笑った。
この前のお礼も言わなきゃね。
そう考えて、ウェイトレスに笑みを返し、男のいる席へ向かう。
濡れた服をハンカチで拭きながら店内を見渡すと、「いらっしゃいませ」とウェイトレスが笑顔を向けてきた。
カウンターには常連さんと思われる壮年がひとり。
白い髭のマスターらしき人となにやら楽しそうに話をしている。
床には段差があり、それぞれのテーブル席は絶妙な空間で仕切られていた。
でも、急に降り出した雨のせいもあるのか、どの席も埋まっているようで、案内しようと見渡したウェイトレスの女の子が申し訳なさそうに眉を下げる。
「カウンターでもよろしいですか?」
一瞬返事に迷ったその時、店の奥で手を挙げて左右に振っている若い男に気づいた。
――え?
その人は、軽トラックの彼だった。
ひとりで座っているらしく、彼はおいでおいでと手で招く。
向かいの席を指さして、空いているというジェスチャーをする彼は、相変わらずの気さくな笑顔を向けている。つられたように蘭々もクスッと笑った。
この前のお礼も言わなきゃね。
そう考えて、ウェイトレスに笑みを返し、男のいる席へ向かう。