狼を甘くするためのレシピ〜*
 バッテリーがあがった時も知らぬ顔はせずに助けてくれたし、こうして席が空いていると声をかけてもくれる。

 人柄がいいのか、女として見ていないからなのか。はたまた、誰にでもそうなのか。

 確かめてみたい気がした。
 ――この人はわざわざ約束してまで、会いたいと思うかしら? この私と。

 予想できる答え。
 その1、用事があとか気持ちだけと言って断ってくる。
 その2、誘いにのる。
 さあ、どっち?

 考えただけで楽しくなってくる。
 なにしろ今まで、自分からよく知りもしない男性を誘ったことは一度もない。
 もちろん今後もないだろう。

 ここで彼を誘えば、最初でそして最後の冒険になる。

「この前のお礼にご馳走します。よかったら、今晩、居酒屋でも行きませんか?」

 LaLaなら絶対に言い出せないことが、自分でも驚くくらい気軽に口にできた。
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