狼を甘くするためのレシピ〜*
※※※

 次の日の朝、仕事に出かける叔母を見送り別れを告げた。
「じゃあね。またいつでもいらっしゃい」

「ありがとう。またね」
 笑顔で手を振りながら、ほんの少し心が疼く。

 ホームセンターで助けてもらった男と今夜会うことは、叔母に言っていない。
 一緒に飲むだけだし、見たところリスキーな相手だとは思えないが、彼を見ていない叔母は当然心配するだろう。そう思って言わなかった。

 ――さてと。

 夕方になり、叔母のマンションを出た蘭々は、てくてく歩いて駅に向かう。

 男とは、駅ビルの本屋で待ち合わせて、駅前の焼きとり屋で飲む事になっている。彼のおすすめの店だ。

『どこかおすすめのお店とかあります? できれば駅周辺の』

『ああ、それなら美味い焼きとり屋があるな』

 居酒屋でも、と言ったのは自分だけれど、焼きとり屋を選んでくるあたりが、軽トラックの彼らしいと思った。
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